
光切断法を用いた3次元計測システムは、非常に高い精度の3次元形状を得ることが可能ですが、
屋外など強い光が外乱として存在すると強いレーザ光投射が必要となり実用的でありませんでした。
私たちは、ダイナミックレンジの広い対数型の受光部と高いS/Nで選択的に光を取得できる
検波方式を効果的に融合したイメージセンサを開発しました。
これにより、外乱光の1/100程度の微弱なレーザ光投射を飽和することなく
検知することが可能となります。
本成果は集積回路最高峰の会議とされるISSCC 2003にて発表しました。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A 120 x 110 Position Sensor With the Capability of Sensitive and
Selective Light Detection in Wide Dynamic Range for Robust Range Finding,''
IEEE Journal of Solid-State Circuits,
Vol. 39, No. 1, pp. 246 -- 251, Jan. 2004.
[PDF]
(This achievement was partly presented in
IEEE Int. Conf. Solid-State Circuits (ISSCC), Feb. 2003.
[PDF])

高精細・実時間3次元イメージセンサの実現には、通常のイメージセンサの
3桁高速な画像の取得が必要です。私たちは、距離計測に必要な情報が
投射したレーザ光の位置情報であることに注目し、
新しいアクセス手法を適応閾値回路と時間領域近似AD変換を用いて
実現しました。
これまで実現されていなかった、640x480画素(VGA)や1024x768画素(XGA)の
距離画像を実時間かつ1ミリを切る高精度で取得することを可能とします。
本成果は集積回路に関する3大会議のひとつとされる
VLSIシンポジウム 2003にて発表しました。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``Design and Implementation of Real-Time 3-D Image Sensor
With 640 x 480 Pixel Resolution,''
IEEE Journal of Solid-State Circuits,
Vol. 39, No. 4, pp. 622 -- 628, Apr. 2004.
[PDF]
(This achievement was partly presented in
IEEE Symposium on VLSI Circuits (Symp. VLSI), Jun. 2003.
[PDF])
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A High-Speed XGA 3-D Image Sensor and Its Applications,''
in Proc. of the 6th Biannual World Automation Congress (WAC 2004),
Jun. 2004.
[PDF]

私たちの提案する「スマートアクセス」は、センサ面上に
点在する「有意な情報」を効果的に取得するセンサアーキテクチャです。
ここでは、高精度3次元計測におけるセンサ面上での投射光位置検出を
列並列探索信号伝搬アクセス技術を用いて高速に実行します。
1フレーム内での複数回アクセスが可能となり、
輝度分布の取得などさらなる高精度化が図れます。
本提案は、回路システムに関する最大規模の国際会議であるISCASにて
2003年に発表しました。
また、この技術を発展させ375x365画素の3次元イメージセンサとして
実装し、1000枚/秒を超える距離計測システムの実現を目指しています。
最新の成果は、集積回路最高峰の会議とされるISSCC 2004にて発表しました。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A 375 x 365 High-Speed 3-D Range-Finding Image Sensor
Using Row-Parallel Search Architecture and Multi-Sampling Technique,''
IEEE Journal of Solid-State Circuits,
Vol. 40, No. 2, pp. 444 -- 453, Feb. 2005.
[PDF]
(This achievement was partly presented in
IEEE Int. Conf. Solid-State Circuits (ISSCC), Feb. 2004.
[PDF])

実世界の情報とコンピュータ世界の情報を効果的に融合し、
その情報をユーザに提供する拡張現実システムのひとつとして、
発光デバイスを用いたシステムが提案されています。
これまで、通常のイメージセンサでは
30枚/秒の拡張現実画像にせいぜい数bitの情報しか
付加できませんでした。
私たちは、画素内に輝度変化を検知しデジタル信号として
読み出すことができるイメージセンサを提案し、
より高速なビーコン検出とともに微弱な光信号を
外乱内から取得する試みを進めています。
本研究成果はISSCCのヨーロッパ版である
ESSCIRC 2003にて発表しました。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A Smart Image Sensor With High-Speed Feeble ID-Beacon Detection
for Augmented Reality System,''
in Proc. of IEEE European Solid-State Circuits Conference (ESSCIRC),
pp.125 - 128, Sep. 2003.
[PDF]

私たちの開発した実時間・高精細3次元イメージセンサの性能を
引き出すには、センサ制御、データ伝送、信号処理などの
ハードウェア/ソフトウェア開発が必要不可欠です。
私たちはFPGAを用いた制御系の開発と、SCSIインターフェースの
実装によって3次元撮像カメラを構築し、
さらに演算・描画ソフトウェアを開発しました。
これにより、実際に動いている物体の3次元形状に対して、
1ミリ以下の高精度かつ640x480距離データという高密度での
実時間取得に成功しました。
本成果はセンサに関する多くの研究者が集まるIEEE SENSORSにて
2003年に発表しました。
Y. Oike, H. Shintaku, S. Takayama, M. Ikeda, and K. Asada,
``Real-Time and High-Resolution 3-D Imaging System Using Light-Section Method
and Smart CMOS Sensor,''
in Proc. of IEEE International Conference on Sensors (IEEE SENSORS),
pp.502 - 507, Oct. 2003.
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画像や音声に対する知的信号処理システム・認識システムなどの応用に
適用される、データ類似性を評価・検索する連想メモリの新しい方式を
検討しています。
従来、アナログ回路技術によって高速化が図られてきましたが、
私たちは今後の微細プロセスにおけるシステム・オン・チップとの整合性を
高めるために、ワード並列・階層探索構造によるハミング距離検索
アーキテクチャを提案しました。
本方式は、高速検索だけでなく、低電圧動作時も検索精度が保証され、
原理的に検索可能な容量に限界がありません。
最小距離検出だけでなく、全ての距離に対して検索が可能であり、
新しい応用の可能性があります。
本成果は、集積回路の会議としてISSCCに次ぐとされるCICCにて
2003年に発表しました。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A High-Speed and Low-Voltage Associative Co-Processor With
Exact Hamming/Manhattan-Distance Estimation
Using Word-Parallel and Hierarchical Search Architecture,''
IEEE Journal of Solid-State Circuits,
Vol. 39, No. 8, pp. 1383 -- 1387, Aug. 2004.
[PDF]
(This achievement was partly presented in
IEEE Custom Integrated Circuits Conf. (CICC), Sep. 2003.
[PDF])
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``Hierarchical Multi-Chip Architecture for High Capacity Scalability
of Fully Parallel Hamming-Distance Associative Memories,''
IEICE Trans. on Electronics,
Vol. E87-C, No. 11, pp. 1847 - 1855, Nov. 2004.
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私たちは、さらに高度な認識処理を可能にするため、
より次元の高いマンハッタン距離でのデータ検索を
実現する検索アーキテクチャを検討しています。
Y. Oike, M. Ikeda, and K. Asada,
``A Word-Parallel Digital Associative Engine
with Wide Search Range Based on Manhattan Distance,''
in Proc. of IEEE Custom Integrated Circuits Conference (CICC),
pp. 295 -- 298, Oct. 2004.
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