ハードウエアセキュリティ

1チップ上に数100億トランジスタが集積され、社会の隅々にまでちりばめられ、ICTのみならず財産や生命までもこのハードウエアにゆだねられています。コンピュータにはセキュリティソフト、ファイアーウォールが常識ですが、みなさんのハードウエア大丈夫ですか?模造品、規格外品が使われていませんか?悪意のある回路が仕組まれていませんか?皆さんの暗号本当に安全ですか?ハードウエア内に盗聴が仕組まれていないと確証持てますか?また、皆さんのクラウド上のデータは本当に安全ですか?今後の社会はハードウエアの信頼性・真贋性を守るための高機能・高信頼な認証技術、データの安全性を担保する暗号技術・秘匿検索技術が不可欠で、そのためには高機能・高性能な暗号ハードウエアが不可欠です。そこで「ハードウエアセキュリティ」をキーワードとして、高性能・高機能暗号ハードウエアの実現、回路の自律動作を生かした非同期回路によるハードウエアの信頼性と、自律的なエラー検出機能を活用したハードウエアの真贋性を担保する仕組み構築し、LSIでの具現化を目指します。さらにそれらのハードウエアの安全性に関しての評価手法を確立することで、安全性と性能、ハードウエアコストの観点での最適な実現を目指します。
楕円曲線暗号
高機能暗号
耐量子計算暗号
準同型暗号
セキュリティハードウエアの安全性評価
計測セキュリティ

イメージセンサ

現在、デジタルカメラは我々のごく身近な所に存在していますが、その中にはイメージセンサと呼ばれるフォトダイオードからなる光センサが内蔵されています。現在イメージセンサはCMOSが主流となり、CMOSならでは様々な機能をイメージセンサに持たせることが可能になりました。我々の研究室では、2次元のイメージセンサだけでなく、3次元のイメージセンサの研究にも力を入れており、シート上に偏光した光で物体をスキャンする光切断法、さらに飛行時間を測定することで3次元情報を得るTOF法、二つのイメージセンサを用いて視差から3次元情報を取得するステレオマッチング法など、様々な方法を用いて3次元情報取得技術の研究を行っております。
計測セキュリティ
適応性の向上を目指した多機能CMOSイメージセンサについて
ロバストな3次元イメージセンサについて
実時間・高精細3次元計測イメージセンサについて
超高速3次元イメージセンサについて
カラー分光CMOSセンサについて

非同期(自己同期)回路

通常、CPUなどの回路の中にはクロックがあり、クロックによってそれぞれの回路が同期して動作しています。自己同期回路とは、グローバルにクロックを用いずに、それぞれの回路がブロック単位、セル単位で非同期的に動作するという特徴を持っており、低消費電力という利点があります。そこで、我々の研究室では、DCVSL(Differential cascode voltage switch logic)や我々の研究室が開発したメビウス回路などを用いた自己同期回路の開発、また自己同期回路のFPGAヘの応用など、様々な研究を行っております。
ゲートレベルパイプライン型回路方式
DCVSLを用いたノンパイプラインCPUについて

Signal Integrity

LSIの微細化に伴い、回路上で発生するノイズが大きな問題となっています。そのため、いかにノイズを減らして目標とする回路を正常に動作させるかが、非常に重要な課題となっています。特に、データ転送におけるノイズ低減手法として、三線式データエンコード方式についての研究を行っております。
三線式データエンコード方式について

CAD

LSIの微細化に伴い、LSIの設計手法は複雑さを増しており人手による設計には限界があります。特に大規模なデジタル回路やSoCにおいては、最適な設計結果を得るためにCAD(Computer-Aided Design)を使用した自動設計手法が必須となっております。また、暗号アルゴリズムや大規模AIアルゴリズムの様に日進月歩の分野において、ソフトウエア記述・コンパイルに相当するTATにてハードウエア設計を行うことが求められています。そこで、本研究室では、最先端AIアルゴリズムの効率的で迅速なハードウエア実装を目指した高位合成手法の検討および、暗号アルゴリズムのように特定用途に特化した場合に効果を発揮できるテンプレートに基づく設計最適化手法に関して研究を行っております。
高位言語からのアルゴリズムの自動設計
テンプレートベースによる特定用途アルゴリズムの効率実装