From: t60211@mech.t.u-tokyo.ac.jp (Shin`ichi Honda) Date: Sat, 5 Apr 97 12:40:48 JST Subject: taikai1[LONG] 航空部現役主将の本田です。 現役では、長く続いた合宿、大会、大会、合宿のグライダー漬けの三月を終えたあと 現在駒場にて新人獲得のリクルート活動をしています。 いろいろあった三月の報告がまだできずにいましたが、とりあえず全国までの 前半部分ができましたのでポストします。 長くなりますので、二通に分けておきます。 東京大学運動会航空部 春季 大会/合宿報告 主将 本田 真一 97年春に、東大航空部が参加した学連の全国大会、国立七大学体育大会と、 それに先だって行なわれた小山での合宿の報告をします。 小山合宿 まず、大会前に練習ができなかった現役をみかねて、山下教官発案により実現した 小山合宿の報告です。 慣れない場所、形態での合宿であり、少し準備が行き届かなかった感がありましたが OB、教官の御協力により、なんとか実現させることができました。 複座は、OB寺本さんのご厚意により、板倉のクラブよりTWIN IIを借り、 単座は東大のASW24、そしてさらに、OB渡辺教官のご厚意により モーターグライダーG109により妻沼の旋回点をすべて確認させてもらう という実に贅沢な合宿をさせてもらいました。 この合宿に資金援助して下さったOBの方々には心より御礼申し上げます。 2月21日 合宿初日、とは言いながら、参加者は本田(3)と井出(1)、教官に山下さんのみ。 その他はテスト中or卒論発表中であった。国立は試験が長過ぎる。 滞空の訓練ということで、昼近くの良くなった時間にTWIN IIで出発。 ATの経験が薄いので緊張。この日、コンバージェンスらしき雲は出ていたものの、 全般的に風が強く、特に低い高度で非常に荒れていた。 2000ftで離脱。ちょうど前線面でだったらしく、離脱直後からすごい勢いで 上がっていく。 「これこそがグライダーってもんだよな」by山下教官 強風のため、確実に東へ流されていくのがわかるが、上がりはそれ以上に強い。 少し弱くなると、すぐにブレイクして移動、強いのをつかんでまた上がる、を 繰り返す。グライダーのごく当たり前のこのリズムが、しかし、経歴が少なく しかもしばらく飛んでいなかった僕には、スムーズに出てこない。 しばし後席のオートパイロット。 そうこうしているうちに、8000ftまで上昇。地面の見え方は対して変わらない? と思うが地平線までの視野が相当広がっていることに気づく。すごい! その後、前線が東へ移動して行くにつれしだいに上がりは悪くなるがそれでも のこるプラスを見つけては右、左と回していく。 1時間半のこのフライトでは、かなりの強風(10〜15m)のためあまり遠くには 行けなかったものの、このグライダーの基本的なリズムをリハビリ&トレーニング するのに非常に役に立った。(これが全国でも効いてきた) 最後、とても学生には任せられないという強風のなか、後席の操縦で パラグライダー並の高いパスで着陸。 その後、クルーで来てもらった井出を菊池さんとモーターグライダーで飛ばす。 筑波山でリッジソアリングを教えてもらったとか。 2月22日 土曜日となり、さすがに人数も増え、4年3人を加えて選手が全員揃う。 まずは船越(4)が複座で出発。一応C`Kということなので、適当に 降りてくるかと思っていたら上がったきり降りてこない。9000ftまで上がった? 板倉方面に伸ばして行ったらしい。 降りてくると、実に満足そうな顔をしていたが、割りを食ったのは小田原(4)。 完全に終った条件で順番が回ってきたため、一人20分で着陸。 バッタにお金を使うのは今回の主旨と違うので、この日はこれでおしまい。 2月23日 日曜日。条件も良さそうで、社会人もたくさん見えた。 ちなみに朝の機体のラインナップは、ベンタス2、SZD55×2、ASW24、 LS4、DG400、ASW19、ミニニンバス、LS6等という壮観な眺め。 これだけで日本選手権開けそうである。 さらに、選手に妻沼の旋回点(特に板倉のすぐ脇など遠いところ)をすべて 確認させてくれるために、渡辺教官がG109で来てくれる。 まず、矢野がTWIN IIでC`K、小田原が渡辺教官と109で妻沼へ。 24は耐空検査のため、井上監督にテストフライトを行なってもらう。 40分ほどして小田原が先に帰ってきたため、今度は本田が109で妻沼へ。 こんな小さなパワープレーンに乗ったのは始めて。これもグライダーとはいえ、 すいぶん雰囲気が違う。飛んでいる間、すっとフライトシミュレーターを 見ているような感覚であった。 小山市を越え、板倉上空を通過。早稲田が同じような訓練をやっているらしく、 55が高いところを飛んでいた。板倉のすぐ北に普段は来ることも見ることもない、 西岡新田の旋回点を地図と見比べ、確認する。こんなの見てないと絶対に分からない。 そのまま妻沼に向かい、途中城沼、館林を確認。この辺はさすがに知っている。 妻沼では、第1がリトウェイの舗装工事のため、第2のみで2、3校が合同で やっている。そのまま河沿いに北上し、見知った給水塔を通過、見たことのない 高山の交差点を確認する。これですべての旋回点を確認したことになる。 競技という状況では、こうした情報をもっていることが大きなリードになるだろう。 渡辺教官に感謝。 小山に近付くと、矢野がC`Kを終えて24で飛んでいるらしい無線が聞こえてきた。 24に続いて着陸し、次にTWIN IIには小田原、矢野は109で妻沼へ。 (船越はこの日就職関係でいなかった) 小田原が帰ってくるころにはすでに3時になっており、条件も終りかけていたが、 最後に本田がTWIN IIでC`K、降りてくるとそのまま24で飛ぶ。 上がりはすでになかったが、競技で使う機体にも少しは乗っておかないといけない。 着陸のとき、小山のルールである、タキシング(速度があるうちにラダーを踏んで ショルダーに入れる)を始めて自分でやる。うまくできてほっとする。 これでこの日はおしまい。高価な機体の分解を手伝っていると、朝方飛びたっていった DG400が5、6時間ぶりに帰ってくる。パイロットは2〜300kmは軽く飛ぶ方 らしい。今日は何キロ飛んだのだろう。 この日で、ほとんどの部員は引き上げることになる。翌日は矢野が市川教官と 単座2機で飛ぶことになり、それでこの合宿は終了となる。短いながら、上級生にとって 非常に密度の高い練習をすることができた。 協力していただいた多数の教官、OBの方々に、感謝いたします。 -- ################################################# # 東京大学工学部機械科3年 # # 運動会航空部主将 本田 真一 # # e-mail t60211@mech.t.u-tokyo.ac.jp # #################################################