From: t60211@mech.t.u-tokyo.ac.jp (Shin`ichi Honda) Date: Tue, 4 Jun 96 21:00:10 JST Subject: report 96年度五月祭合宿 合宿報告 東京大学航空部主将 本田真一 先合宿からあまり間のない合宿であり、しかも1年生は2回目の合宿であり 仕事もフライトもだいぶ慣れてきているので1年生の活躍に期待したいところ ですが、来ました!オーストラリアからの留学生、ポール レイノルズ君の 1st、2nd、3rd SOLO! もっとも彼は国で以前グライダーはやっていたとのこと。本邦初ソロ。 しかし、数年のブランクをはねのけて1合宿と少しだけでソロまでこぎつけたのは たいしたもの。加えて、この時期の1年生がこのソロを遠い先の事と見るのでなく 「先を越された!」と悔しがる姿はこの先頼もしい限りです。 上級性も負けてはいられないと初24の乗った者が4人。また、他だ1人の 2年生の安藤は苦しみながらも見事、2時間1分のフライトで銅章達成! 人数の減少に歯止めがかからず、ついに部員全員が揃わないと陸送が不可能という 事態にまでなった影響で、この合宿も4日間のフライトのみと短い合宿でしたが 非常に成果のでた合宿となりました。 また、人数が少ない影響で、1人のフライトの密度が上がって来たため、 個々人の技量は他大学と比べてもかなり高いところまできていると思います。 運営はかなりきつくなってきてはいますが、大会で勝つということが具体的に 見えてきている今の勢いを何とか保って、全国大会、7大戦で知名度をあげてやろうか と画策しています。御期待下さい。 主な成果 1ST SOLO ポール(1) 2nd SOLO ポール(1) 3RD SOLO ポール(1) C章 安藤(2) 銅章 安藤(2) 1ST W24 小田原(4) 矢野(4) 本田(3) 杉峰(3) 発数、時間 JA2379 ASK21 89発 13+33時間 JA2492 SZD-51-1 13発 7+36時間 JA2486 ASW24 23発 4+36時間 五月祭合宿の主なできごと 5月24日 陸送日。21を妻沼から氏家へ運ぶ。ウインチと24は別行動で直接駒場から 氏家へ。最近陸送は、人数の割にてきぱきと進み、この日もスムーズに終了。 明日からもこう行きたい。 5月25日 合宿初日。退院直後のウインチのテストを行なう。 リトリブをウインチで曳航。東大リトリブはVw80、曳航60。 しかし、「ウインチおそーーい、40!」 「おっかなくて、これ以上速くできません。」とはウインチマンの矢野(4)。 でも異常なし。よかった。 上級生のC’Kから複座をまわし、昼から単座も上げる。 この日は結局合宿通して1番条件の良い日で、最初複座を上級生に取られ次に 単座に発数を取られた1年生はじりじりしていた模様。 杉峰(3)が11:57に出撃、高**紙、羽*山をクリアして12:35ゴール、 38分で周回。結構早い。 矢野(4)は15:20に出撃、高**紙、羽*山をクリアして16:25ゴール、 1時間5分で周回。時間が時間であり、上がりにくい中周回してきたのはさすが。 安藤(2)は14:19に出撃、42分フライトでC章達成。 この日13発目に索断したパラシュートが森に食われ、よりもどし、ダブルリングと ともに失われる。損害は4ー5万?この合宿中おりあるごとに捜索するが発見できず。 本当に「食われた」という感じ。 「こうして森は成長するんだねえ」と1年生の長島。 また、22発目にウインチ大赤。ドラムからあふれた索がドラムブレーキに はまりこんだもの。以前にもやった赤だがその時は工場に持っていってなんとか 直した。この日は土曜しかも夕方。近場でやっている工場はなく、明日もやっている ところはなさそう。しかたないので、ドラムをはずし、ブレーキを分解して 自力で直す。日がくれたころに修理完了。条件良かったのにすっきりしない終り方 だった。 5月26日 この日も昨日のように上がってくれることを願いR/Wにでるが、 結果的にはこの日は夏場のコンディションであった。滞空らしい滞空は数発のみで あとは着々と発数が回る、そんな日であった。 しかし成果はでた。本田(3)、小田原(4)、杉峰(3)の順で初24! 今合宿前、教官陣に「24パイロットがでる可能性はまだ低い」と言われながらも 持ってきたかいがあった!しかし、まだまだ乗るというより載せられているという 感覚。練習あるのみ、か。ちなみに矢野(4)は体調を崩しダウン。24はおあずけ。 また、この日はOBとしていらしていた曽根教官も初winch24。 この日の索断は4回。1回は河に落ちた。これらの時間がばかにならない。 なんとかできないかと悩み始める。 5月27日 昨日ダウンして24おあずけとなった矢野(4)に1発目C’Kをまわすと、 見事合格。5発目に初24。この日も昨日と同様に上がりはなく着々と発数だけが 伸びる。そして、やってきました宇都宮名物「餃子と雷」。15時を回ったあたりから 視程の悪さが気になり始め、4時すぎにはゴロゴロ鳴り始める。訓練中断、単座機を 撤収とする。 結局大した雨は降らなかった。 16:58訓練再開。1年生の複座を回す。そして、27発目ポール君SOLO C’K、28発目RE C’K、29発目1ST SOLO!Congratulations! 谷(1)は「先を越された。むちゃくちゃ悔しい」 まだ春。いくらなんでもソロは早いだろう、と思うが、その心意気や良し! 夏にはでれるだろう。 昨日、一昨日ほどではないにしろ、この日も索のいたみが激しく、索点に1時間も かかり、その直後にウインチ大赤で修理に1時間かかる。これは早急に対策する 必要がある。が、ウインチマン、リトマンに説明を求めても 「仕方ないんだよ」ばかり。うーーーーん。 余談 この日の食当である金子はR/Wで真っ赤なつなぎを着用。 その格好のまま買い出しに出かけ、注目を浴びる。 そしてあだ名「赤レンジャー」定着。 また、この日の「お話」でなんとポールが一時期オーストラリア海軍にいたこと 判明!どーりでオーストラリアのグライダー経験がありながらこの劣悪な訓練に 耐えるわけだ。 5月28日 航空部の格言の1つにこんなものがある。 合宿中 早起きすれば 視程待機 この日の起床は5:30、1発目は9:11であった。しかしこの間に21の 125点検を終えてしまえたので、あながち無駄ではなかったか? 昨日までのウインチ赤にまいって、この日は朝からリトリブ20km/h命令を 出す。すると、昨日までが嘘のように快調になった。さっさとこうすればよかった。 さて、訓練は7発目ポール君2nd SOLO、11発目3rd SOLOと連続! しかし、条件は良くはなく、複座のフライトも5分、4分、3分!と段々短くなる。 こりゃだめか?と考え、そろそろ昼休憩でもとろうかと思っていた12時近くに 条件は一変する。 前席井出(1)、後席山下教官でそれまでと変わらずに11:58出発。 右に一旋後すぐに回し始め、ゆっくりとだが上がり始める。単座はジュニアを 偵察に飛ばそうと考えていたので準備させていたが、まだc’k中であった。 24はすぐいけるが、パイロットは四年生がウインチ、リトのため三年の本田か 杉峰。これまでの発数で杉峰が一発多い。よって、ピストから「俺がいく!」 と24を奪い取る。悔しがる杉峰。「すぐジュニアで抜くからな!」 この時点でできてきたプラスは前線の兆候だったのかその後一時間の間、 どんどん強くなっていく。24は離脱後400ぐらいまで上がるが、はずして 200まで下がる。降りようかと場周パターンにのせかけたときプラスに当たる。 そこから一気に1000m。しかしこのロスの間にジュニアに抜かれる。やられた。 24は難しい。このころ大体12:30ぐらい。北西の方から急激に視界が悪く なってきているのが機上からはっきりと見てとれるようになっていた。 24は旋回点の高崎製紙に向けるが白沢上空の直線コースはずぅっとプラス。 24が旋回点を回ってR/W上に戻ってきたころ、21とジュニアが白沢付近でガグル を組んでいるような無線が入ってきた。しかし、視程が悪くさっぱり見えない。 ちなみに、高*製紙から羽*山への直線コースは雷雲に覆われたため使用不能と なっていた。また、杉峰(3)とばかり思っていたジュニアは銅章トライの安藤(2) であり、ガグルの最中、山下教官から「センターを合わせろ!」「雲に入るな!」 などと、どなられていた。 さて、24はR/Wから羽黒山を狙うが途中キャノピーに雨が付着するように なったため、引き返す。しかしすでにR/Wは雨。東側は雨こそ降っていないものの、 冷やされてすでにプラスはなくなっておりしばらく粘った後、ランディング。 R/Wは北風になっており、逆進。 このとき高崎*紙はまだ南風だったため、ちょうど白沢上空でシアーになり、 かなり良いプラスができていた模様。実際、銅章狙いのジュニアはそこから動こうと せず、片銅達成。あと1H。21は24の少しあとに同じく逆進でランディング。 24、21が降りた後ジュニアもかなりきつくなってきた。 前線性の雨雲はすでに抜けており日は出ていたが、地面が冷えたため落ちる一方。 銅章まであと20分!しかし、かなり低くなってきていたので無理をしないで場周に 向かうように指示する。ジュニアもそれに従いc’kポイントに向かうが、 途中弱いプラスを見つけ回し始める。そのときすでに高度は200弱だったらしいが なんとその後400まであげなおす。根性! しかし、あと数分という時点にまた低くなってきて、 「あと何分ですかーー!?」と悲痛な無線が多くなる。 粘りすぎたか、もう無理と判断してc’kに向かうR/W横で相当に低くなったため ピストから、「すぐに3旋、そのままロングで着陸」を指示。ぎりぎりの高度で4旋を するが、そのままオーバースピード気味で、引き起こしは大バルーン。5mは浮く。 安藤自身も「僕の今までの着陸の中で最も危険な着陸だった。」と反省したほどの 着陸でなんとかランディング。そして時間は2時間1分。きっかり銅章達成。 まさしく根性の銅章であった。(でもちょっと危険) そのごはプラスも完全になくなったため、快調になったウインチでひたすら1年生を 飛ばす。2時間半で13発。最後は山下教官グロッキーとなる。 そして18:31大撤収。 この日の夜の余談 この日山下教官と供に1時間38分の間空域内をあっちへこっちへと飛びまくった 井出(1)が 「なんか、飛んでる間に索点してるなー、って無線で聞いて、降りたら もうおわってたよー」 と言うのに対し、真面目に索点した他の1年生は「ズリー!」 最後に金子(1)が 「段々会話がマニアックになってきたなー」 確かにグライダー関係者以外がこれを聞いても暗号にしか聞こえないだろう。 1年生が航空部にどっぷりつかった証拠だね。 5月29日 陸送日。さっきも書いた通り人が少ないという割にはやたらとスムーズな陸送。 何事もなく終了。次は7月だ! 今後の予定 夏合宿1 (7/28ー8/2) 妻沼(学習院と合同) 夏合宿2 (8月) 氏家 (宇都宮大学と合同を検討中) 秋合宿 (9/29ー10/5) 妻沼 秋期大会 (10/14ー10/19) 妻沼 駒場祭合宿(11月下旬) 氏家 関東大会 (12/18ー12/25) 妻沼 正月合宿 (1月) 氏家 全国大会 (3/2ー3/9) 妻沼 7大戦 (3月) 開催地未定 春合宿 (3月下旬) 氏家 今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。 東京大学運動会航空部主将 工学部機械科3年 本田 真一